2008年3月29日土曜日

「ふつうの人に潜むこと」

国立新美術館での第20回記念平泉展は、平泉会が目指す理念を、新たな展開で発信した展覧会だったと思う。それは、有名無名を問わず、これまで地域で地道 に表現に取り組んでいた人々を紹介したことであり、また芸術とは異なると一般的に考えられていた分野を、芸術のひとつのカテゴリーとしたことでもあった。
と ころで芸術とはいったい何だろうか? そもそも、何事においても個人の志向性の違いにより多様な真実が生まれるという事実を思えば、芸術の真実もまた多様 であることは当然であろう。そして、芸術がより良い人を創るとするならば、それは普通の人が普段の暮らしのなかで自分の中に潜む芸術の鉱脈に気づく事に よってのみ、かなうのではないだろうか。
そんな人々ばかりの世の中を、想像してみよう。   平泉会運営委員 土田俊哉

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